葉酸サプリを飲むと気持ち悪い症状が出る人がいるようです。葉酸サプリが原因で気持ち悪くなるのか、それは副作用なのか、妊婦さんの正しいサプリの選び方など詳しく解説しています。
葉酸サプリに副作用はあるの?
妊娠中に良いとされ今や厚生労働省も推奨している葉酸ですが、葉酸サプリとなると副作用を心配されているママも多いのではないでしょうか。
私もそうでしたが妊娠中は口に入れる物には特に敏感になることでしょう。
そこで、安心して葉酸サプリを飲んで頂けるために、副作用について詳しくご紹介していきます。
葉酸サプリにどんな副作用がある?
葉酸サプリにどんな副作用があるのかを掲載していますので、参考にしてください。
規定の量を守っていれば副作用の心配はない
ビタミンには、脂溶性と水溶性があります。
脂溶性ビタミン=身体の中に溜まる
水溶性ビタミン=余分な分は尿などで排出される
葉酸は、水溶性ビタミンですので意識して沢山摂っても必要の無い分は尿などで排出されます。
ですから、サプリメントもきちんと規定の量を守って摂取していれば、副作用の心配もさほどしなくても大丈夫でしょう。
しかし、以下の場合には副作用が起こる可能性がありますので気を付けたいものです。
・食品添加物による副作用
この2つについて、詳しくお伝えしていきましょう。
葉酸サプリによる副作用
基本的には規定量を守っていれば、さほど副作用の心配はいらない葉酸サプリですが、以下の場合には副作用が起こってしまう可能性があります。
過剰摂取による副作用
1日の葉酸摂取量の上限は1000ugと言われています。
食品からの摂取の場合は、調理課程で半分程が溶け出してしまう上に吸収率は50%程ですので、食事だけで1000ugを越えてしまう可能性はほぼ無いでしょう。
ただし、サプリメントは吸収率が90%と高いため1日分が約400ugの物を何倍も摂取したら、1000ugを越えてしまうことになります。
過剰摂取が引き起こす副作用は以下の通りです。
葉酸過敏症
葉酸過敏症とは、葉酸の過剰摂取によって以下の症状が表れるものです。
・蕁麻疹(じんましん)
・吐き気
・不眠症
・呼吸障害
妊娠中の場合はママだけでなく赤ちゃんが喘息(ぜんそく)になる可能性もあります。
オーストラリアの大学で研究された結果によると、「妊娠後期(30~34週)に葉酸を1000mg以上摂取した場合、胎児が小児喘息になるリスクが25%と高まる」と報告されています。
小児喘息は運動が制限されるなど、学校生活などに支障をきたす他、大きな発作になると呼吸困難を起こすなど危険な病気のひとつですので、何としてでも避けたいものですね。
ビタミンB12欠乏症の診断が困難になる
ビタミンB12は、葉酸と共に「造血ビタミン」と呼ばれ共に血液を作る働きをしていますので、不足すると貧血を引き起こします。
ビタミンB12欠乏症になると、貧血の他に神経症状を伴い治療が必要になります。
しかし、葉酸を過剰に摂取しているとビタミンB12欠乏症の診断が遅れてしまうことがあります。
それによって以下のような神経症状が悪化する恐れがあるのです。
悪性貧血の原因になる
ビタミンB12は、葉酸が血液を作るのをサポートする働きがありますので、不足すると通常より大きな赤血球(巨赤芽球)が出来てしまいます。
巨大化した赤血球が上手く働く事が出来ず、様々な障害をもたらす悪性貧血は、通常の鉄欠乏性貧血と治療法が異なるため、検査が必要となります。
神経系の障害
ビタミンB12は神経細胞の遺伝子やたんぱく質などの合成を助け、神経伝達をスムーズにする働きをしていますので、不足すると神経伝達が上手くいかず、神経が過敏になったり憂うつになるなどの症状が現れます。
イライラする
ビタミンB12が不足すると自律神経の働きが悪くなるため、イライラする、集中力が無くなる、無気力など精神的に不安定になります。
手足のしびれ
ビタミンB12不足により神経系の症状が進むと、運動神経機能の低下により手足のしびれ、チクチクした痛みなどの症状が現れます。
睡眠障害
脳から分泌されるメラトニンというホルモンが、睡眠のリズムを調整しています。
ビタミンB12が欠乏すると、このメラトニンの分泌が上手くされなくなるため、不眠症や昼間に異常な眠気に襲われるなどの睡眠障害を引き起こします。
食品添加物による副作用
過剰摂取の他に、注意が必要なのが食品添加物による副作用です。
特にショ糖脂肪酸エステルや、アセルスファムカリウムはサプリメントに添加されていることが多く、ダウン症などの染色体異常やアレルギーなどのリスクを高める副作用があります。
そのため、この2つの成分が入っていないサプリメントを選びましょう。
葉酸は1日にどれくらい必要?
では、葉酸は1日にどれくらいの量を摂取したら良いのでしょうか?
時期 | 量(ug) |
---|---|
成人女性(妊娠前) | 240ug |
妊娠中 | 480ug |
授乳期 | 340ug |
上限 | 1000ug |
厚生労働省が推奨している1日の葉酸摂取量は上記のとおりです。
これは普段の食事に、妊娠中は+400ug、授乳期は+100ugということですので、パッケージなどの記載を確認して1日分で400ugがしっかりと摂取できるサプリメントを選びましょう。
葉酸が不足するとどうなるの?
葉酸サプリの過剰摂取は危険だという事をお話ししましたが、あくまでも毎日1000ug分のサプリメントを飲み続けた場合に副作用の危険性があるということで、葉酸が危険だということではありませんのでご安心下さい。
葉酸は元気な赤ちゃんを産むのに必要不可欠な栄養素です。
では逆に、不足するとどんな影響があるのでしょうか?
葉酸不足がもたらす赤ちゃんへの影響
葉酸にはDNAの形成を助ける働きがあります。
DNAは身体の設計図ですので、葉酸が不足し正しく設計図がコピーされないと、神経官閉鎖障害などの先天性異常や流産・死産などを引き起こすリスクが高まります。
また、産まれてからの成長や発達にも葉酸は欠かせません。
授乳期に不足することで、発達障害のリスクが上がるとも言われています。
葉酸不足がもたらすママへの影響
妊娠中は臍(へそ)の緒を通して赤ちゃんに沢山の栄養を送らなければならないため、多くの血液を必要とします。
葉酸には血液を作る働きがあるため、貧血予防に良いのですが、逆に不足すると貧血になりやすくなります。
また、葉酸には粘膜を強くする働きがありますので、不足すると口内炎が出来やすくなったり、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、またはガンなどを引き起こすリスクが高まります。
母乳も血液から作られていますので、母乳の質を保つためには産後も葉酸を摂取することは大切です。
厚生労働省は葉酸サプリを推奨している
毎日の食事で葉酸がたっぷりと摂れたらそれが理想的ですね。
しかし厚生労働省は、葉酸をサプリメントなどで摂取することを推奨しています。
食品から摂取する方がなんとなく身体に良さそうな気がしますが、一体なぜなのでしょう?
葉酸サプリが良い理由
葉酸には、食品から摂れる「ポリグルタミン酸(天然葉酸)」と人の手で化学的に合成された「モノグルタミン酸(合成葉酸)」があります。
何となくイメージから”天然”の方が良さそうに感じる方は多いと思いますが、実は厚生労働省が推奨しているのは「モノグルタミン酸」なのです。
理由は、モノグルタミン酸の方が吸収率が高いからです。
葉酸は水溶性ビタミンですので、水洗いや加熱調理によって約半分程が溶け出してしまう上に食品からの吸収率は約50%です。
対してモノグルタミン酸の吸収率は約90%と高い吸収率を誇っているのです。
また、ポリグルタミン酸を摂取することでの神経官閉鎖障害のリスクの軽減は、まだ世界的にも認められていません。
ただ、合成と聞くと身体に悪いのでは無いかと思われるママも多いと思いますが、合成葉酸にも天然由来の物と化学合成物質から出来た物がありますので、重要なのは天然が合成がではなく、天然由来かどうか、食品添加物が入っているかどうかということなのです。
どうやって飲むのがいいの?
葉酸サプリメントは、水・又はぬるま湯で飲みましょう。
コーヒーや紅茶・お茶などにはタンニンという成分が含まれていて、このタンニンが葉酸の吸収を妨げてしまうため、コーヒーや紅茶・お茶などで飲むことはオススメできません。
用法・容量を正しく守って毎日きちんと葉酸を取り、赤ちゃんに栄養たっぷりの血液を送ってあげましょう。
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