妊娠中にお腹の赤ちゃんの成長のために欠かせない栄養である「葉酸」。
今や雑誌やメディアでも多く取り上げられ、”妊娠したら葉酸を摂る”という事が多くの女性の意識の中に定着しつつあるでしょう。
そこで、多くのママ達が愛飲しているのが葉酸サプリメントなのですが、その種類も価格も様々です。
- 「なるべく安い物がいい」
- 「1粒で済む物がいいな」
- 「葉酸さえ摂れればいいわ」
そのような基準で葉酸サプリを選んでいる人も多いのでは無いでしょうか。
しかし、妊娠中に毎日飲む葉酸サプリメントを選ぶ際には、様々なポイントに気を付けなければ、ママにとってもお腹の赤ちゃんにとっても危険性があるのです。
今回は、知らないと危ない、葉酸サプリメントの危険性や選び方について詳しくお話したいと思います。
葉酸サプリの危険性「副作用」
葉酸サプリメントは、本来安全性の高い物でなければなりませんし、薬ではありませんから、副作用等の心配は無いはず。
しかし、数ある葉酸サプリの中には、妊娠中に飲み過ぎると危険な副作用を引き起こす恐れがある物があります。
一体、どんな事が原因で副作用が引き起こされるのでしょうか。
食品添加物による副作用
葉酸サプリメントでの副作用の原因のひとつが、”食品添加物”です。
食品添加物とは、そもそも厚生労働省が認めた安全性の高い物しか使えませんから、微量を摂る分には問題はありません。
サプリに関しても、絶対に無添加の物でなければダメと言う訳では無いのです。
しかし、合成着色料や保存料、人口甘味料等の化学合成添加物については、継続して大量に摂った場合の安全性が未だ解明されていない物もあり、妊娠中に毎日飲むサプリメントに入っているのは好ましくありません。
中には、摂り過ぎるとお腹の赤ちゃんのアレルギー疾患や、染色体異常を引き起こす原因になると言われる物もあるのです。
必ずしも”無添加”にこだわる必要はありませんが、最低限、化学合成添加物が入っていない物を選びましょう。
葉酸の過剰摂取による副作用
妊娠中に積極的に摂るべき葉酸ですが、実は1日に1000ugと言う上限摂取量があります。
これを越えて摂取し続けた場合には、葉酸の過剰摂取となり「葉酸過敏症」「お腹の赤ちゃんの喘息のリスクが高まる」「ビタミンB12欠乏症の診断を困難にする」等の副作用を引き起こす事があるのです。
葉酸過敏症
葉酸過敏症の主な症状は、発熱、蕁麻疹、吐き気、不眠症状、呼吸障害などが挙げられます。
お腹の赤ちゃんの喘息のリスクが高まる
オーストラリアの大学での研究によると、”妊娠後期(30~34週)に1日1000ug以上の葉酸を摂取し続けた場合、胎児が小児喘息になるリスクが25%と高まった”という報告がされています。
そのため、妊娠中の葉酸の過剰摂取は、お腹の赤ちゃんにもダイレクトに影響を及ぼす可能性があるのです。
ビタミンB12欠乏症の診断を困難にする
葉酸と共に血液を作る大切な役割をしているのがビタミンB12という栄養素。
ビタミンB12が欠乏すると、赤血球が上手く作られず巨大化してしまう「悪性貧血」と呼ばれる物や、神経系の障害を引き起こします。
悪性貧血は、鉄分の不足によって引き起こされる鉄欠乏性貧血とはメカニズムが違うため、専門的な治療が必要なのですが、葉酸を過剰摂取していると、このビタミンB12欠乏症の診断を困難にしてしまうのです。
サプリメントは過剰摂取になりやすい
これまでお話したように、妊娠中に欠かせない栄養素である葉酸ですが、過剰摂取は危険な副作用を引き起こす事があります。
食品に含まれている葉酸は、吸収率が約50%と低いため、毎日の食事だけでは過剰摂取の心配はありません。
しかし、吸収率が約90%と高いサプリメントでは、注意が必要なのです。
海外製の葉酸サプリ等には、1日分で1000ugを越えてしまう物や、国産のサプリとは表記の違う物もありますから、注意して選びましょう。
そして、良質なサプリメントであっても、用量を守って飲む事が大切です。
葉酸の副作用については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
⇒「葉酸サプリに副作用はあるの?」
脂溶性ビタミンの過剰摂取による副作用
水に溶けやすく、すぐに尿などから排出されてしまう性質を持つ水溶性ビタミンに対して、体内に蓄積されやすいのが、ビタミンA・E・D等の脂溶性ビタミンです。
どちらも身体にとって必要な栄養素なのですが、過剰摂取になりやすいのが脂溶性ビタミンでしょう。
特に、動物性のビタミンAであるレチノールは、摂り過ぎると肝臓に蓄積されやすく、妊娠中には胎児の危険や流産にも繋がる事があるのです。
しかし、脂溶性ビタミンも身体にとって必要な栄養素のひとつですから、葉酸サプリの中には、ビタミンA・E・D等が配合されている物も多く存在します。
大切なのは、過剰摂取に配慮された物を選ぶ事、そしてそのようなサプリメントであっても、まとめ飲みなどをせず1日の用量を守って飲む事なのです。
天然葉酸は安全?合成葉酸は危険?
葉酸には「天然」と「合成」の2種類が存在します。
天然葉酸とは、もともと食品等に含まれている「ポリグルタミン酸型葉酸」のことを指し、合成葉酸とはサプリメント等に配合されている「モノグルタミン酸型葉酸」の事です。
「天然」「合成」と聞くと、天然の方が身体に良さそうなイメージでは無いでしょうか。
しかし、厚生労働省が妊活中や妊娠中の女性に勧めているのは、実は合成葉酸なのです。
それは何故なのでしょうか。
お腹の赤ちゃんの先天性奇形を防ぐのは合成葉酸
葉酸が妊娠中に良いと言われている理由は、何となくご存知の方は多いかと思いますが、ハッキリとは答えられない人が多いのでは無いでしょうか。
妊娠前から妊娠初期にかけて、1日400ugの葉酸をしっかりと摂る事で、胎児が二分脊椎等や無脳症等の神経管閉鎖障害を引き起こすリスクを約70%軽減できると言われています。
もちろん、妊娠中期以降にも葉酸は必要であり、様々な効果を発揮してくれるのですが、厚生労働省が妊婦さんに葉酸を推奨している理由はここにあるでしょう。
しかし、この神経管閉鎖障害のリスクを下げると言う研究結果は、天然葉酸では無く、合成葉酸であるモノグルタミン酸型葉酸の事なのです。
ですから、妊娠中には合成葉酸が配合されたサプリメントが良いのですが、中にはオーガニックの物などで、天然葉酸を配合した商品があります。
原材料名にハッキリと「葉酸」と記載されている物が合成葉酸ですから、しっかりと確認してから購入すると良いでしょう。
天然葉酸は吸収率が悪い
厚生労働省は、妊活中や妊娠中の女性に対して、1日400ugの葉酸を摂取する事を推奨しています。
毎日の食事だけでは足りないため、サプリメント等で補う事が大切でしょう。
「毎日沢山の野菜や果物、レバー等を食べれば良いんじゃないの?」と思う人もいるかと思いますが、食品に含まれるポリグルタミン酸型葉酸の吸収率は約50%と高くありません。
また、水溶性ビタミンである葉酸は、水洗いや熱に弱く、その調理過程において約50%程が失われてしまうと言われています。
毎日の食事だけで妊娠中に必要な葉酸量をまかなう事は、とても難しいのです。
ですから、毎日の食事では足りない分を、吸収率の良い合成葉酸が配合されたサプリメントで補う事が推奨されています。
天然葉酸と合成葉酸の違いについては、こちらの記事を参考にしてみて下さい。
⇒「葉酸サプリは天然と合成の違いは?どちらが良いの?」
合成葉酸は石油から出来ているってホント?
“合成葉酸は危険”と言うイメージを持つ人は多いのでは無いでしょうか。
実は、それは強ち間違いとも言い切れません。
合成葉酸には、食品等の天然の物から抽出した原料で合成された物と、石油等の化学物質から合成された物があるのです。
石油由来の合成葉酸が配合されたサプリメントを妊娠中に飲み続ける事は、お腹の赤ちゃんのアレルギー疾患等のリスクを高めると言われています。
ですから、価格が安いから、味が美味しいから等と言う理由だけで、安易に葉酸サプリを選ぶのは危険なのです。
お腹の赤ちゃんの健康を守るためには、安全性も吸収率も高い、食品等を原料とした”天然由来の合成葉酸”をオススメします。
石油由来の葉酸の危険性については、こちらの記事を参考にしてみて下さい。
⇒「葉酸サプリは石油から出来ているのはホント!?安全性は?」
製造工程での危険性を見極めるには?
成分や原料の他にも気を付けて欲しいポイントが、製造工程での安全性についてです。
どんなに良い原料を使っていても、工場での管理や扱いが良くなければ安全性が高いとは言えません。
そこで、製造工程において危険性が無いかを見極める基準があります。
GMPの認定工場で作られているかどうか
製造工程での安全性を見極めるポイントとして、GMPの認定工場で作られているかと言う事が挙げられます。
GMPとは、サプリメント等の商品の品質や安全性を保つために設けられた製造規範です。
このGMPの厳しい基準をクリアした工場は認定され、定期的にチェックも受けていますから、しっかりとした管理が出来ていると言えます。
一番分かりやすいのが、GMPマークがついている商品なのですが、付いていない物でもGMPの認定工場にて製造されている物も多くありますから、問い合わせ等をしてみるのも良いでしょう。
GMPについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
⇒「gmpって何?葉酸サプリの安全性はどうやって判断したらいい?」
残留農薬や放射能テストをクリアしているか
原材料が何処で獲れた物なのかは、私達消費者には分かりづらい物ですよね。
そこで、残留農薬や放射能のテストをしっかりとしている商品は、安全性が高いと言えるでしょう。
これらのテストをクリアしている商品は、パッケージや公式サイトに記載がある物が多いので、通販で購入出来る商品等はサイト等をチェックしてみると良いかと思います。
妊娠中に理想的な危険性の少ない葉酸サプリとは?
ここまで葉酸サプリメントの危険性について色々とお話をしてきましたが、結局どんなサプリメントなら妊娠中にも安心て飲む事が出来るのでしょうか。
まず一番大切なのが、添加物や葉酸の原料です。
添加物の場合は、合成着色料や保存料、人口甘味料が配合されていない物が良いでしょう。
そして、食品等の天然の物から抽出した原料で、合成された葉酸を使用したサプリメントが理想的です。
そして、成分の過剰摂取に配慮があり、GMPの認定工場にてしっかりとした管理のもとに製造された商品を選ぶ事をオススメします。
葉酸サプリの危険性についてのまとめ
葉酸サプリメントは、選び方や飲み方を間違えると、妊娠中には危険な副作用等を引き起こす恐れがあります。
葉酸サプリを選ぶ上で、価格の安さや飲みやすさはもちろん重要なポイントでしょう。
しかし、妊娠中に毎日口にする物をそれだけで安易に選ぶ事は危険なのです。
成分の原料や、添加物、過剰摂取の危険性や製造工程についてもしっかりと知り、納得した上で購入して欲しいと思います。
当サイトでは、妊娠中に安心して飲む事が出来る安全性の高い葉酸サプリメントについて紹介していますので、参考にしてみて下さいね。
【葉酸サプリの総合的なオススメ3選】
当サイトでオススメしている葉酸サプリです。 実際に試して、安全に飲む事が出来るサプリを厳選しています。-
ベルタ葉酸
天然酵母由来のモノグルタミン酸型葉酸を100%配合。小さめの粒で飲みやすく味や臭いもほとんどありません。鉄分・Ca・ミネラルなど妊娠中に必要な栄養素や嬉しい美容成分もバランス良く配合。ビタミンの過剰摂取に配慮された配合になっており、化学合成添加物も無添加で妊娠中に安心して飲めるサプリメントです。
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プレミン
天然由来のモノグルタミン酸型葉酸。粒は小さめで飲みやすく配慮されています。葉酸の働きを助ける栄養素や、妊娠中に欠かせないCaや鉄分も配合。化学合成添加物は不使用ですから、妊娠中にも安心して飲めるサプリメントです。成分・安全性・コストパフォーマンスにおいて、とてもバランスの良いサプリでしょう。
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はぐくみ葉酸
オーガニックレモンから抽出したモノグルタミン酸型葉酸を配合。小さめの粒は飲みやすく、味や臭いも気になりません。化学合成添加物は無添加。妊娠中に必要な栄養素など、15種類のビタミン・ミネラルをたっぷり配合。その全てが天然由来です。栄養士による食事についてのサポートが受けられる特典があります。